いやー、こんなことが起こるとは・・。
本日はインバル・都響@東京芸術劇場に行く・・・はずだった。てっきりチケットを買ってあったと思い込んでいた。これが単なる思い込みだったとは・・・。
チケットを買ったつもりになっていて実は買っていなかったなんて、このかた生まれて初めてだ。
オレもついにボケが始まったか。ガクっっ。
こういう公演に限ってソールドアウトなんだよな。ガクっっ。
誘ったO君には申し訳ないことをした。すまぬ。m(_ _)m
そういうことで、今日は代わりにインバルの思い出の公演を振り返ろうと思う。
1980年代にクラシック音楽界にある流行が起こった。「マーラーブーム」である。アバド、テンシュテット、シノーポリ、マゼールなどが来日して採り上げ、また日本のオーケストラも頻繁に上演した。1985年9月のバーンスタインとイスラエルフィルの「マーラー交響曲第9番」の公演は、その中の頂点を成し遂げ、今となっては伝説化されている。
このブームに乗って、二人のイスラエル人指揮者がドイツのオケを引っ提げて日本に乗り込み、壮絶なマーラー演奏を繰り広げた。そう、一人はガリー・ベルティーニ、もう一人がエリアフ・インバルだ。
そのインバル、1987年フランクフルト放送交響楽団の来日公演。サントリーホール。
11月3日 マーラー 交響曲第5番
11月4日 マーラー 交響曲第1番
その演奏の衝撃度と言ったら・・・。今でもはっきり覚えている。なぜかというと、私はコンサート会場で腰を抜かしてしまったからだ。拍手さえもできなかった。照明が明るくなって公演が終了しても私はなかなか立ち上がれなかったのだ。
まるで火山の爆発だった。マグマの噴出だった。
エネルギッシュで、まさに豪快。インバルのそのダイナミックなタクトは、マーラーの演奏において他を圧倒、向かうところ敵なしの様相だった。
インバルのコンサートに行ったことのある人だったら知っているが、インバルはボルテージ、テンションが上がると、演奏中に唸る。上記の公演では、その唸り声さえも天から降臨したマーラーの叫びに聞こえた。
この公演は、映像収録され、レーザーディスクで売り出された。私も「あの衝撃よ、もう一度」で買ったのだが、やはりしょせん録音録画というものは缶詰なのだ。聴き終えた瞬間「こんなはずではないっ!」とそのままお蔵入りにしてしまった。
感動の思い出というものは、インパクトが強ければずっと心に残る。別に録音録画に頼らなくても、多分私は上記の公演を一生忘れることはないだろう。