クラシック、オペラの粋を極める!

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2009/3/7 新日本フィル

2009年3月7日 新日本フィルハーモニー交響楽団  すみだトリフォニーホール
指揮 ダニエル・ハーディング
ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲
ラヴェル ラ・ヴァルス
ベルリオーズ 幻想交響曲


 さすがハーディングだ!オケの音が全然違う!
 若手でありながら既に世界的名声を勝ち得ている気鋭の指揮者の登場にオケはやる気十分。モチベーションが高まっているのが一目瞭然(一聴瞭然?)だ。

 一曲目の牧神からいきなり快調。木管のソロパートの音色が非常に幻想的で、支える弦楽器とソロの旋律の波が交互に浮かび上がる様はまさに絶品の一言。

ラ・ヴァルスは、フランス風のエスプリ、3拍子が醸し出す優雅なサロンの雰囲気を出させるには至らなかった(っていうか、そもそもそういう音楽を作ろうというアプローチではなかった)ものの、ハーディングの切れ味鋭いタクトでクリアで明晰、鮮やかな音楽に仕立て上がった。

 メインの幻想も素晴らしかった。音のバランス、音色の調整(弦はノン・ヴィブラートを基調)、楽器配置(ハープを指揮者の前に置く)などを入念に解析し、リハーサルした効果が最大限に表されていた。

 師匠のKさんが「アルミンクの後の音楽監督になってくれたらいいのにね。」と話したが、まったく同感。世界を飛び回っている売れっ子指揮者だから音楽監督は難しいとは思うが、是非定期的に客演していただきたい。


 10年前の初来日でのドン・ジョヴァンニを聴いて、「これは将来大物になるかも!?」と予感したハーディング。その2年後に訪れたザルツブルク音楽祭でのドイツ・カンマーフィルを振った公演を聴いて、私の予感は確信に変わった。

 当時クラシック仲間で集った飲み会の場で今後期待できる若手指揮者の話題になったとき、私は躊躇無く「ハーディング!!!」と答えたら、まだ無名だったのでみんなから「誰?それ」といぶかしがられた。その時のメンバー諸君!私の先見の明を覚えているかね?(笑)覚えちゃいねんだろーなー。