クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2008年7月11日 プッチーニ音楽祭①

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チケットは取った。問題はどうやって行き、どうやって帰ってくるかだ。それが最大の問題だ。

 開催地トッレ・デル・ラーゴ。プッチーニが過ごした小さな村。ピサから北に約13キロ、ヴィアレッジョから約5キロ。トッレ・デル・ラーゴにはホテルはほとんどないらしい。ならヴィアレッジョにホテルを取るのが無難だろう。だが、私は翌日早朝に帰国のためピサのガリレオガリレイ空港に向かわなければならない。なので、ホテルはピサにしてあるのだ。

 世界的にも名の通ったフェスティバルである。7月中旬から、週末を中心に約7週間も繰り広げられるプッチーニオペラの祭典である。会場への足は、お客様のもてなしの第一歩だ。バスぐらい当然出ているであろう。ラヴェンナ音楽祭だって会場まで無料バスが出ていたよ。
 とりあえず事前にフェスティバル事務局にメールを送ってみた。ピサからの往復はどうしたらよいでしょうか?返事が来た。「タクシーを利用してください。」だと。なに~!?

オペラの開演は午後9時15分。ということは終演は間違いなく午前0時頃になるだろう。既に電車は終わっている。約3千人の観客はじゃあどうやって帰るのだ?みんなタクシーで帰るのか?そんなはずないだろう。バスくらい出るでしょうよ、普通さあ。これって日本人の普通の感覚。(っつうか、日本人の感覚からして、午前0時を過ぎて電車が無くなる時間まで催しが行われること自体が絶対あり得ない。)


ま、とりあえず何はともあれ行ってみよう。行くのはそんなに難しくない。電車があるから。ピサから約10分、最寄りの駅トッレ・デル・ラーゴで下車。超ローカル駅で、ほとんど人が降りない。おいおいこれからフェスティバルだよ?何で人が流れ降りないの?

 駅から会場のある湖畔までの約2キロは住宅街を抜ける道。ここもやはり「バタフライ通り」「トゥーランドット通り」「トスカ通り」などを見つけて思わず微笑む。湖畔に到着すると、湖、なだらかな山、鳥のさえずり、そよ風になびく葦の草が心を和ませてくれる。時間が止まったかのような静かな景色。こういう場所に滞在して作曲すれば良い曲が思い浮かぶのも分かる。

 風情を楽しむのはここらへんにして、とにかく帰りの足について考える。次から次ぎへとやってくる客はほぼ全員がマイカーであることに唖然とした。あとは大きな観光バスに乗ってやって来る団体ツーリスト。日本人もいたが、全員ツアー客だ。みなプッチーニのオペラ開演を前にのどかな景色を眺めながら談笑している。楽しそうだ。くそっ、私だけが焦っている。で、公共バス停はというと・・・無い。

 私は潔く諦めた。タクシーを予約することにした。
 事務局らしい人に頼んだが、「分からない」とそっけなくあしらわれた。湖畔に唯一あった3つ星ホテルのフロントにタクシーを予約したいと泣きついたら、「Some taxis are waiting」と言われた。予約はしてくれなかった。「Some taxis・・」何台かのタクシー・・これは競争だと瞬時に理解した。ほとんどの客がマイカーか団体バスであることは分かったが、タクシーを拾って帰ろうとする客も絶対に何人かいるだろう。彼らとのタクシー争奪戦になる・・。


 長くなったので、続きは次回の投稿で。